研究概要 |
(1)CD43発現によるB細胞生存維持の解析とトランスジェニックマウスの確立:昨年度in vitroの系を用いCD43発現が、細胞周期G1からS期移行への増強に寄与する可能性を明らかにした。個体におけるCD43機能を解析する目的で、CD43陰性の末梢B細胞にCD43を強発現させたトランスジェニックマウスを作製し計3系統を確立した。現在、トランスジェニックマウスにおけるB細胞の産生、寿命、活性化について免疫学的方法を用い検討中である。 (2)CD43ゲノム遺伝子のクローニングとターゲッティングベクターの作製:BALB/cゲノムライブラリーより、14.5-kbのマウスCD43ゲノムクローン(H15)及び13.5-kbのマウスCD43偽遺伝子のクローンを得た。サザン法でCD43 cDNAプローブにハイブリダイズするEco RI 2.1-kbのDNA断片及びその周辺部の7.4-kbの領域の塩基配列を決定したところ、これまでに報告されているとおりCD43構造配列は一つのエクソンによってコードされ、翻訳開始点より上流に37bpのイントロンが存在することを確認した。構造配列部位やその周辺、またH15クローンの端のDNAをプローブとして、これらクローンとBALB/cゲノムDNAを用いたサザン法を行った。その結果、全ての使用した制限酵素(Eco RI,HindIII,Bst EII,BglII)においてゲノムとクローンH15間に相違はなく、H15はCD43構造配列の上流7-kbから下流6.3-kbまでのゲノム領域を確かにカバーしている。このH15クローンDNAを用いイントロン中のNarIサイトにloxP配列を、3'非翻訳領域のEco RIサイトにloxP-Neo^γ-loxPカセットを挿入し、Cre-loxPシステム用ターゲッティングベクターを構築した。
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