研究課題/領域番号 |
06670365
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
長岡 仁 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20270647)
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研究分担者 |
徳久 剛史 千葉大学, 医学部, 教授 (20134364)
竹森 利忠 国立予防衛生研究所, 免疫部, 部長 (60114295)
木元 博史 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20225080)
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キーワード | CD43 / 細胞内相互作用 / B細胞生存維持 / CD43強発現マウス / IgMb抗体産生 / ホモ遺伝子強発現マウス / 免疫反応 / B細胞dynamics |
研究概要 |
CD43は血液幹細胞、Tリンパ球、その他の造血細胞に発現する。Bリンパ球では骨髄に局在する幼若細胞に発現するが、末梢B細胞には発現が認められない。CD43の機能はT細胞において、細胞間相互作用及び抗原レセプターを介した刺激の調節に関与することが示唆さけているが、Bリンパ球における役割は不明である。この問題に関し、我々はin vitroの実験系を用い、CD43の発現がB細胞の生存維持に何らかの役割を果たす可能性を示唆した。この可能性を更に明らかにするために、CD43遺伝子cDNA強発現マウス2系統を確立した。2系統における外来性CD43遺伝子のコピー数はそれぞれ10及び5コピー以下であることが確認されたため高コピー数を有するCD43強発現マウスを実験に供した。未刺激遺伝子強発現マウス脾臓では外来性CD43遺伝子の発現レベルは正常マウスとほぼ同様であった。しかし遺伝子強発現マウス由来脾臓細胞をLPSで刺激すると、刺激後2-3日目に外来性CD43遺伝子の発現量は内在性CD43遺伝子と比較し約10倍上昇し、この発現増強は抗CD43モノクローナル抗体を用いた蛍光免疫法によっても確認された。In vitroでの刺激において、CD43遺伝子強発現マウス由来の脾細胞によるIgM抗体の産生は、対照群と比較し約3倍上昇することが認められた。この結果は、前回我々のCD43トランスフェクタントで得られたCD43発現により細胞生存が延長する可能性を支持するものと思われる。In vitroの実験結果から、CD43強発現マウスにおける外来性CD43が細胞の免疫活性化により強発現される可能性が示唆されたことから、現在ホモ遺伝子強発現マウスを作製し、一次及び二次応答における抗体産生とともに免疫反応マウスでのB細胞のdynamicsをflow cytometryを用いて検討する予定である。
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