ジーントラップ法を用いて、ES細胞分化に関連する未知遺伝子の単離を試みた。 En-2イントロンの下流にスプライシング受容シグナル、IRESシグナル及びLacZを配置、その後pBR322ベクタープラスミドを結合、下流にはアクチンプロモーター及びネオマイシン耐性遺伝子を挿入し、ベクターを完成させた。ES細胞株D3及びE14-1にベクターを電気穿孔法により導入し、ネオマイシン耐性コロニー約4、000個を選別した。選別クローンを分化誘導因子であるレチノイン酸下で48時間培養後X-gal染色を行ない強陽性のクローンを選別、5'RACE法を用いてRNAよりcDNAを同定し、未知のクローンに対する全長cDNAをD3細胞株より得たcDNAライブラリーから同定、塩基配列を決定した。うち1つはbZIPモチーフを有する未知の転写因子であることが判明した。一方、別の系としてクローンをC57/BL6マウスの大腿骨髄から得た線維芽細胞上にて10日間培養後X-gal染色を行った。陽性細胞を選別後、それぞれのcDNAライブラリーを作製しクローンを同定、現在10種類のcDNAの塩基配列を解析中である。さらに、ES細胞を血球系細胞へ分化させる系として、op/opマウス骨髄線維芽細胞株OP-9を支持細胞としてES細胞を分化させ得ることが報告されており、現在このシステム上でX-gal染色陽性になるクローンの選別を行なっている。
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