研究概要 |
申請者らは、これまで長崎県対馬厳原町佐須地区(1979年、1982年、1886年)ならびに秋田県小坂町(1972年、1979年、1982年)において大規模な疫学調査を行い、全住民の80%以上を対象に尿中β2-マイクログロブリン、尿中カドミウムおよびその他の生物学的指標を測定してカドミウムの健康影響を20年にわたり追跡してきた。平成6~7年度は新たな研究目的を掲げ以下の調整研究を進めた。 1)尿中カドミウムの測定設備としては、尿中Cdの測定には長崎大学医学部共同実験施設の原子吸光分光光度計(日立z-8000型)を用いるが、灰化装置には新たにテフロンコーティングアルミブロック(20ml試験管用)を導入し、コンタミネーションの機会を減少させる殊に成功した。。さらに、尿中微量金属測定用の標準試料(Standard Reference Material 2670,National Bureau of Standards and Technology,U.S.A)を同時に分析した結果、研究申請者らのカドミウム測定精度は満足すべきものであることが明らかとなった(標準試料カドミウム濃度との差は5%以内)。 2)新たなコホートの設定:今回の調査をもとに新たなコホート(第4コホート)を設定し、今後10年間さらに追跡調査を行って行くための基盤作りについては長崎大学医学部衛生学教室と厳原町佐須地域住民と合意が成立した。平成8年度に住民全員の尿および頭髪の収集を行うことになった。
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