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1994 年度 実績報告書

半導体製造特殊ガスの呼吸器毒性評価-ジボランについて-

研究課題

研究課題/領域番号 06670390
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

大前 和幸  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (60118924)

研究分担者 上村 隆元  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10232795)
中島 宏  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
キーワード半導体製造特殊材料ガス / 不純物拡散 / ジボラン / 気管支肺胞洗浄液 / サーファクタント / リン脂質 / II型肺胞上皮細胞
研究概要

初年度は半導体製造特殊材料ガスであるジボランに関して、現在まで当教室で得られた急性曝露実験による気管支肺胞洗浄液(BALF)分析・考察した結果から、より低濃度で2段階の濃度を設定し、8週間亜急性曝露(6時間/日、5日/週)実験を行い、量-影響関係を得ることとした。曝露濃度はACGIHのTLV-TWAである0.1ppmと1.0ppmを目標として設定した。
曝露期間中の体重や外観等に差異は認められなかった。全曝露日程終了翌日屠殺解剖し、BALF採取を行った。1ppm曝露群ではBALF中多核白血球(%)、マクロファージ(%)、Superoxide Dismutase(SOD)、α_1-AT、蛋白、LDH、ALP、総・各リン脂質、総脂質、総コレステロール、0.1ppm曝露群においても多核白血球(%)、ALP等の有意な変化があった。以上の結果は亜急性ジボラン曝露により、肺胞内で多核白血球の増加がおき、多核白血球より攻撃因子としてのSuperoxide、エラスターゼを含むプロテアーゼの放出があり、それに対して防御因子としてSOD、α_1-ATの増加、修復機転としてII型肺胞上皮細胞の増殖・過形成が起きていることがリン脂質の増加から示唆された。
低濃度の急性曝露で見いだされていた肺胞内のジボラン曝露影響変化は、亜急性曝露影響はACGIHのTLV-TWAである0.1ppmにおいても起きていることが明らかになった。このことからジボラン曝露機会があると考えられるジボラン製造作業者、ボンベ交換作業者、半導体製造工程作業者に対する毒性の周知徹底を行うと共に、徹底した作業環境管理、作業管理が必要であると考えられる。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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