研究概要 |
富山県内の4市3町(人口約66万人)を調査対象地域に選らび平成6年1月から同年12月までの死亡届けにもとづいて65歳以上死亡例で配偶者が残った場合を調査対象者としてケースの調査を開始した。調査は死亡後6か月を経過した時点で実施することを原則とし、その際に死亡直前の状況と死亡後6か月時点の状況を比較して聞きとることとした。 平成7年1月までケース692人(回収率78.2%)について調査を終了している。このあとの回収分を加えて約1000例のケースになると予測される。これまでに回収されたケースの分析によれば性別では男性が36%,女性が64%であった。年齢階級別では75歳未満が42%,75歳以上が58%であった。調査事項に関する主要な成績をみると、死別直前には福祉サービスを利用していたが、死別によりその利用が無くなる等高齢期の特徴も認められた。また、死別後の健康状態では睡眠がよく取れるようになった等介護にまつわる負担から解放された状況が反映されていた。さらに夫婦の役割の喪失に替る人との付き合いでは別居子との交流がさかんになるというこれまで都市部で観察された結果と異る状況も出現していた。現在、これまで回収したケースの対照を4市3町から選出しており、この対照者についても同様の調査をおこない死亡が配偶者の健康に及ぼす影響をケース、コントロール研究で明らかにする。
|