骨塩を急速に失ういわゆるFast bone losersの骨粗鬆症のHigh risk groupであり、その抽出は骨粗鬆症の真の2次予防に路を開くと見られる。昨年度の研究で、中高年女性約200人のCohortの4年間の追跡を完了し、腰椎骨密度だけでなく、血清Osteocalcin、骨型ALP、及び尿中Hydroxyproline等の骨代謝指標やLifestyle指標をdatabase化した。これらを用いたScreeing法をROC分析などを用いて開発、確立することを目的の今年度の研究を行い、以下の結果を得た。 1.平成2年からの2年間で同定されたFast bone losersはその後の2年間には必ずしも大きな骨量減少を起こしていなかった。骨量減少は閉経後約5年間にきわめて急速に起こったが、個人別に追跡すると、かなりの変動が見られた。 2.ある時点の骨代謝指標値によって推測できる骨量変化は2年間程度のもので、4年後の骨量は予測できなかった。したがって、2年程度の間のFast bone losersはある程度抽出しうるが、長期間にわたってFast bone losingする者を正確に抽出するScreening法を確立することはできなかった。 3.Fast bone losersとSlow bone losersとの間に骨粗鬆症のLifestyle上のRisk factor保有率に有意差はなく、Fast bone losersが何らかのLifestyleによって発生しているとは考えられなかった。
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