研究課題/領域番号 |
06670408
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
太田 節子 信州大学, 医学部・公衆衛生, 助手 (90143974)
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研究分担者 |
那須 民江 信州大学, 医学部・衛生学, 講師 (10020794)
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キーワード | C型肝炎ウイルス(HCV) / 発病予防 / 肝機能値 / 飲酒 / 疫学調査 / HCV抗体 / 不顕性感染 / 流行地域住民 |
研究概要 |
本研究は、HCV抗体陽性率の高い長野県A町B地区及びC地区をモデル地区として、住民の健康調査及び疫学調査を通して、HCVキャリアの肝炎進展防止のための健康管理システムを確立することを目的としている。 地区住民を対象に実施した生活状況に関する疫学調査と健康調査の解析から、新たに次のことが明らかになった。 1)HCV抗体量とGOT、GPT、ZTT、TTTが正の相関関係を示し、総コレステロール、トリグリセライドは負の相関を示した。すなわち、肝機能障害の程度は抗体量に依存した。 2)脂質代謝の指標(総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)は、非飲酒者では肝細胞の機能までは低下していないことが明らかになった。しかし、飲酒者では低下がみられた。 3)HCV感染と飲酒は互いに作用を及ぼし合う、すなわちHCV感染の肝機能障害を飲酒が増強し、飲酒による肝機能障害をHCV感染が強めることが明らかになった。 4)HCV感染者の肝機能障害に影響を及ぼす生活要因として労働強度、睡眠および栄養摂取状況等の可能性が示唆された。 これらの結果は、第6回日本疫学会総会(1996年1月)で発表した。また、第66回日本衛生学会総会(1996年5月)に発表の予定である。
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