研究概要 |
大阪府の中でも人口動態が比較的安定した状況で推移しているA市に在住する60歳以上のすべての者について、すでに高齢者の健康状態と生活実態を明らかにするための実態調査を平成4年6月に実施し16,394人の中で16,155人の者について調査を終了している。平成6年度においてこれらの者について追跡調査を行うために、パソコンを使ってデータベースを構築した。また、これらの者の中の寝たきり度判定基準(厚生省)がJランク(健康老人)の者についての調査に先立ち、要介護の痴呆症であった328人について訪問調査を行い調査方法についての予備的な検討を行った。高齢者の身体・精神状況の変動は大きく、断面的調査のみでは十分でないことが明らかになった。平成4年6月の調査時に寝たきり度判定基準(厚生省)がJランク(健康老人)であった者8,663人について調査を行うにあたって、A市福祉事務所の協力を得て調査員154人に対して研修会を2月に実施すべく準備していたところであるが、この阪神・淡路大震災による災害救助法に基づく指定市となり実施できなかった。この震災による高齢者の心身状況の変化が懸念されるところとなっている。 しかしながら、当初計画した内容の追跡調査を行うための準備を行うことができた。またパイロットスタディとして要介護の痴呆症状をもつ高齢者の調査を行ない、高齢者の心身レベルの評価の安定性についての知見がえられたので、これらの結果を踏まえて、次年度に平成4年6月時にJランク(健康老人)であった者8,663人の追跡調査を準備しているところである。
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