研究課題/領域番号 |
06670418
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
廣澤 巌夫 山口大学, 医学部, 助手 (20034960)
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研究分担者 |
小泉 昭夫 秋田大学, 医学部, 教授 (50124574)
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キーワード | Biochemical hypoglycemia / Risk factors / Blood glucose / Hospital nurses / Shift work |
研究概要 |
低血糖様症状は特に看護婦にしばしば認められる事から、女性を対象とした大規模な疫学調査を行った。 看護婦と他職種の女性職員の協力者3415名中207名がしばしば低血糖様の発作を持ち、2489名の者が未だ発作を経験しない対象者として選定された。この207名に統計的規準を当てはめて、155名が低血糖様症状のみの有訴者、52名の者が生化学的低血糖者であると予測された。これらの2群と対象者群から、日常生活時の血糖測定の協力者31名を得た。 協力者で症状のみの訴え者11名中1名、生化学的低血糖者10名中8名が血糖値60mg/dl以下の値を示し、低血糖と見られた。また生化学的低血糖者グループでは、平均血糖値および最低血糖値の何れもが症状のみの有訴者グループと対象者群に比較して統計的有意に低値を示した。 年齢およびBMIを調整し、生化学的低血糖症のリスクファクターおよびその寄与率と95%信頼区間を求めると、職業(看護婦対他職種4.25;1.52-12.4)、交替制勤務が有り対無し(2.17;1.07-4.39)、膵臓炎(5.64;1.23-25.8)、甲状腺炎(7.64;2.75-20.7)、癌の家族歴(2.33;1.03-5.30)、甘い物の摂取欲(3.16;1.71-5.87)、突然の空腹感(24.8;9.62-63.8)、鎮痛剤使用(2.66;1.21-5.84)、消化剤使用(2.86;1.24-6.60)、漢方薬使用(3.96;1.15-13.58)とビタミン剤使用(4.73;1.36-16.4)などの項目が認められた。また、マルチプルロジスティックアナリシスでは、膵臓炎(7.30;1.09-45.5)、甲状腺炎(10.3;2.90-36.4)、甘い物の摂取欲(2.10;1.10-3.99)、突然の空腹感(22.5;8.56-59.0)とビタミン剤の使用(4.68;1.21-18.1)が指標として示された。なお、低血糖様症状のみの訴え者(低血糖を伴わない症状有訴者)は、多くの危険因子があるが、それらは職場不適応による沈鬱傾向を示唆している。
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