研究概要 |
本年度の研究実施計画どおりの進捗状況である。 愛媛県御荘保健所管内の脳卒中発症者をすでに死亡したものも含めて対象とした。 生存者に関しては本人および介護者、また、死亡者に関しては家庭を対象とした訪問面接調査を行い、さらに、脳卒中登録票・退院時連絡票・経過管理票およびその他の記録を用いて、データの収集を行った。 以下に、本年度の実績の概要を示す。 1986年から1992年の7年間に計403名(男231名,女172名)のものが調査できた。 病型別には、脳出血108名、脳梗塞263名、くも膜下出血21名、その他11名であった。 観察期間が1年未満のものを除く384名のうち、1年以上生存していたものが228名(59.4%)であった。 カプラン-マイヤー法を用いて病型別、年齢階級別に予後の検討をした。 病型別には、脳梗塞がもっとも予後が良好であった。くも膜下出血がもっとも予後が悪く、特に、発症後1ケ月以内の累積生存率の低下が顕著であった。脳出血は脳梗塞とくも膜下出血の中間に位置していた。 年齢階級別には、69歳以下の生命予後は良好であったが、高齢者になるほど予後は悪く、80歳以上では発症後1年以内に約6割のものが死亡していた。 なお、次年度はさらに該当地域で実施されている老人保護法による一般健康診査のデータとリンクすることにより、生命予後に発症前の状況がどのように影響するかを検討する。
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