研究概要 |
対象高齢者の生活構造と生命予後との関連の追跡調査のため、(1)対象者の1987〜1992年の死亡状況を確認し、301名の死亡者について死亡時期及び死因を確認し、(2)健在の対象者に対するアンケート調査を実施し、当初の対象者1,543名中、死亡 582名(1982〜1992年)、入院・施設入所78名、転出46名を除く 837名のうち 746名(89.0%)についての資料を得た。現在、1982年、1987年と今回の資料のリンクを行いつつあり、来年度分析作業を行う予定である。 本年度は、健在者における1982年と1992年の調査結果の比較により、(1)性・年齢階級別比較による在宅高齢者の健康と生活様式の変化、及び(2)10歳年齢別コホートの10歳加齢による変化を検討した。おもな結果は以下のとおりである。 (1)健康状態では、後期高齢者で、日常生活動作低下者の比較が増加し、自覚的健康の良好な者が増加していた。 (2)生活様式の社会的側面では、仕事・役割をもつ者、友人をもつ者、老人クラブの入会者の比率が低下した。また、老人クラブの活動では、旅行の参加が低下し、スポーツ活動が増加した。また、趣味をもつ者が増加し、コホート別の比較でも、加齢にもかかかわらずスポーツ、趣味活動が増加し、個性化、多様化の進展がうかがえた。 (3)生活様式の社会的側面では、仕事・役割、友人、老人クラブ加入、趣味の有無が、2時点とも、自覚的健康状態に関連していた。しかし、この関連は、1992年では弱くなる傾向がみられた。
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