研究概要 |
AIDS/HIVに関する4種類の質問用紙を完成し、そのうち一般人を対象としたものを専門学校の女子学生約300名を対象に行った。また、同じ質問を入学直後の看護短大生を対象としても行った。既に行った回答の解析結果では、一般に感染経路や感染機会に関する問題では、キャンペーン等の効果もあり8割以上の正解が得られることが多いことが確認された。しかし、HIVのvirulence,疾患としてのAIDSの特徴,抗HIV抗体検査の実際と正しい検査時期,疫学的事項などについては、依然として正解率が低かった。またこの結果が、高校でのAIDS教育を受けた経験の有無であまり差がないことから、具体的な教育内容について再検討すべき問題もかなりあるものと思われた。更なる検討が必要であると思われるが、医学的内容の理解を背景として必要とする事項の教育については、学校教育においても現在以上に専門家が関与することの必要性が強く示唆された。 また、医学部4年生の自主学習のテーマとしてアンケートによる知識調査を行い、その結果を集団別に評価・考察することも行った。調査対象は、学生の依頼による協力が得られた高校生,一般大学生,看護短大生、医学部学生および社会人である。調査は、各種機会を捉えた質問用紙の配布・回収(1994年11〜12月)と、1994年11月に行われた学園祭における健康診断の際の受診者の協力という形で行った。対象者の総数は1,221名となった。結果は、高校生と社会人は全体的に正答率が低かった。一般大学生と看護短大生・医学部学生との間にも平均正答数の有意な差が認められ、とくにある程度の専門用語や具体的な数値が設問に含まれる問題でその差が顕著であった。全体においても各集団においても、基本的に男女差は認められなかった。
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