防除家屋Aの空気中クロルピリホス濃度は床下で防除1カ月後、6カ月後、9カ月後、1年2カ月後にそれぞれ10.9、1.8、24.7、1.8μg/m^3であった。台所では、それぞれ0.20、0.10、0.11、0.17μg/m^3であり、汚染レベルの低下はみられなかった。また、防除後1年2カ月の家屋Bにおいて、毎月1回、精白米に吸着したクロルピリホス量を測定したところ、クロルピリホス濃度は8ppbから41ppbの間で上下し、吸着量は夏期に多く、冬期に少ないこと、また、防除後2年半経過しても、クロルピリホスのコメ汚染はほぼ同レベルで継続していることが認められた。 クロルピリホスの吸着したコメを炊飯前に水で3回洗浄すると、コメ中のクロルピリホスはもとの60%が除去された。電気炊飯器による炊飯では洗浄米中のクロルピリホスはほとんど除去されなかった。 防除家屋居住者のクロルピリホス1日摂取量を試算すると、クロルピリホス濃度20ppbのコメを1日に2合(300g)炊飯して食べ、クロルピリホス濃度0.16μg/m^3の空気を1日に15m^3呼吸したとすると、摂取量はどちらも2.4μgとなり、クロルピリホス摂取の寄与率は50%ずつと計算された。なお、クロルピリホスのADIは、0.01mg/kg体重/日であり、住居でのクロルピリホスの許容基準は10μg/m^3(USA)である。 精白米をポリ容器に封入すると、1週間後でも空気中クロルピリホスのコメへの吸着はなく、防除家屋では、コメは空気の入れ替わりの少ない容器に貯蔵することが白アリ防除剤の汚染を防止するために効果的と考えられた。 防除家屋居住者の母乳29例についてクロルピリホス濃度を測定したが、いずれも検出限界値未満であった。
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