研究課題/領域番号 |
06670457
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
木村 恒二郎 島根医科大学, 医学部, 教授 (30153191)
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研究分担者 |
井津 智子 島根医科大学, 医学部, 助手 (80263515)
高橋 節典 島根医科大学, 医学部, 助手 (90032226)
松原 和夫 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20127533)
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キーワード | 法医中毒学 / 灯油 / ガスクロマトグラフィー / 質量分析法 / トリメチルベンゼン / 体組織 |
研究概要 |
1.混合揮発性物質暴露装置の作製 暴露装置は10L容デシケータ、ガラス管、シリコンチューブ、空気ポンプ等の比較的安価な器材を使用して作製した。装置内のガス移動は一方向性(開放系)とし、空気は毎分550mL、環境温度は30℃の条件を設定した。灯油はデシケータの底部に脱脂綿入りシャーレ内に散布し、蒸気は空気と同一の方向に移動するように設定した。ガス濃度は検知管およびガスクロマトグラフィーで測定可能であり、始動後約15分で一定の濃度(クメン濃度20ppm、灯油濃度1,000ppm)が得られた。 2.体組織中灯油成分濃度と環境濃度の相関 上記の暴露装置および実験動物としてWistar系雄性ラットを使用し、1,000ppm灯油蒸気を5分および15分間暴露した後、諸組織を採取、抽出し、灯油成分を定量した。その結果、4種のトリメチルベンゼン類は各体組織において筋肉を除きいずれも15分値が5分値より高い値(5倍前後)が得られ、これらの値から環境濃度や暴露時間を推定可能ではなかろうかと考えられた。また、灯油暴露の直接的証明には、高いトリメチルベンゼン濃度を示す腎臓が有用と考えられた。さらに、肺に対する血液のトリメチルベンゼン類の濃度比をみると、いずれも0.6〜1の範囲内にあり、血液採取が困難な場合の代替試料として肺の有用性が示唆された。
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