研究課題/領域番号 |
06670459
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
吉田 謙一 山口大学, 医学部, 教授 (40166947)
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研究分担者 |
原田 一樹 山口大学, 医学部, 助手 (00253146)
反町 吉秀 山口大学, 医学部, 助手 (80253144)
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キーワード | 心筋 / カルパイン / 虚血 / 再灌流 / 心筋梗塞 / フォドリン / プロテインキナーゼC / 免疫組織化学 |
研究概要 |
1.ラット心筋に脳のα・β-フォドリンに相当する蛋白が発現しており、試験管内でカルパインの基質となることを明らかにした。ラット心臓を10-20分虚血後再灌流するとカルパイン活性が上昇、その内因性阻害蛋白(カルパスタチン)活性が低下するとともに、フォドリンが分解することが明らかになった。カルパインによるフォドリン分解産物を特異的に認識する抗体を用いて、免疫組織化学により、介在板やサルコレンマのフォドリンが分解されることを明らかにした。フォドリンの分解は従来報告されているどの蛋白の分解に比べても早く、心筋の非可逆的障害(梗塞化)の原因かも知れない。早期虚血診断への応用を試行している。 2.人の心筋梗塞により近い犬冠動脈閉塞モデルにおいて、合成ペプチドであるカルパイン阻害剤Iが、梗塞縮小及び虚血によるカルパインの活性化を阻害することを明らかにした。同阻害剤は、再灌流ラット心よりのCK逸脱とフォドリン分解も抑制した。 3.ラット脳のカルパスタチン活性が死後経過に伴い低下、変化のあまりないカルパイン活性との差し引き分によりフォドリンが経時的に分解することを明らかにした。死後変化におけるカルシウム及びカルシウム依存性プロテアーゼ(カルパイン)の関与を初めて明らかにした。 4.プロテインキナーゼC(PKC)が早期虚血後、膜、ミオフィブリル、核等に転移しつつ、カルパインにより分解されること、各アイソタイプ毎に挙動が異なることが明らかになった。
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