研究課題/領域番号 |
06670460
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西向 弘明 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00079758)
|
研究分担者 |
四宮 薫 愛媛大学, 医学部, 講師 (90035759)
四宮 孝昭 愛媛大学, 医学部, 教授 (30035406)
|
キーワード | ABO式血液型 / 遺伝子型 / PCR / RFLP / DNA多型 |
研究概要 |
平成7年度は、PCR-RFLP法によりABO遺伝子座の8箇所の変異点(261番、467番、526番、646番、703番、796番、802番および803番の各塩基)を解析する方法を検討した。そのため、昨年度に引続き新たにPCR用プライマーの考案・作製およびRFLP解析用制限酵素の選択を行った。その結果、一般的なA遺伝子はA(Pro)とA(Leu)との2種類のサブ・アリルに分類することができ、また一般的なO遺伝子もO(T)とO(A)との2種類のサブ・アリルに分類することができた。B遺伝子にはサブ・アリルはみられなかった。さらに802番塩基を解析することにより、Oの変異遺伝子であるO^2遺伝子を検出することができ、ドイツ人集団(169例)に多型頻度(>2%)で存在することがわかった。日本人集団(520例)からは未だ見つかっていないが、さらに検査例数を増せば検出される可能性が高い。最近、2箇所の変異点のみの検査でABO遺伝子型を判定している検査期間があるが、これではサブ・アリルの検出ができないばかりか、O^2遺伝子をA遺伝子やB遺伝子と誤判定する危険性がある。したがって、法医学実務においては鑑定精度の向上のため、本研究で考案した解析法を使用すべきであると考えられた。次にABO式血液型の血清学的検査では母子関係の成立しない1家族について、DNA試料を用いて遺伝子型を解析した。方法はPCR-RFLP法および新たに考案したアリル特異的プライマーを用いたPCR法(アリル特異的PCR)を使用した。その結果、母親は血液型キメラをもち、ABO遺伝子型はA(Leu)/B/O(T)と判定された。このように本研究で考案した方法は非常に稀な変異型の解析も実施できる長所を持つ。以上の成果は学術論文および学会において既に報告しており、さらに1996年に開催される国際学会においても発表を予定している。
|