家兎の心電図、深部脳波(中脳網様体、視床下部前部、視床下部後部、扁桃核、海馬)を記録し、特に扁桃核、海馬にトリアゾラムは抑制的に作用することが推測された。家兎に、アルコールを体重kg当たり、2g腹腔内投与30分後に、トリアゾラムを体重kg当たり、5mg経口投与して、心電図、皮質脳波及び深部脳波を記録するとともに、行動の観察を行った。一方、トリアゾラム投与後、2時間30分後に、家兎の耳静脈から採血し、血中トリアゾラム濃度は平均116ng/mlであった。この濃度は、家兎によって、致死するには低すぎる。致死するには、この50倍以上の量が必要であり、更に、アルコール投与量も体重kg当たり、4g以上が必要であると考えられた。 行動上は、上記実験条件で、トリアゾラム投与後、2時間前後から、眼振が連続的に認められたが、その原因については、現在不詳である。ウィスター系雄ラットを用いて、アルコールを体重kg当たり、2g腹腔内投与後の全大脳内のドパミン量及びセロトニン量を測定したが、対照と比較して、変動はなかった。しかし、脳内微少透析膜内ガイドカニューレを側座核へ挿入する方法で、側座核からのドパミン及びセロトニンの放出はともに増加していた。トリアゾラム体重当たり5mg投与で同様の実験で傾向としては、上記アルコールの結果と似ていることが推測された。
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