研究課題/領域番号 |
06670469
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 啓造 昭和大学, 医学部, 教授 (20162422)
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研究分担者 |
田口 智子 昭和大学, 医学部, 助手 (30266085)
李 暁鵬 昭和大学, 医学部, 助手 (90245829)
道解 公一 昭和大学, 医学部, 講師 (60188844)
熊沢 武志 昭和大学, 医学部, 助教授 (00186470)
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キーワード | 液体クロマトグラフィー / 質量分析法 / 高速原子衝撃質量分析法 / キャピラリー液体クロマトグラフィー / 向精神薬 / ベンゾジアゼピン / フェノチアジン / プチロフェノン / 固相抽出 |
研究概要 |
本年度は27種類のベンゾジアゼピン系薬物、17種類のフェノチアジン系薬物、6種類のブチロフェノン系薬物について、キャピラリー高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/高速原子衝撃(FAB)-質量分析法(MS)により、ネガティブモードで標品の分析を行った。まず、ポジティブモードで良好な結果が得られたグリセリンをマトリックスとして用いたが、擬分子イオンの得られない薬物が多種類あった。そこで、数種類の代表的なマトリックスを用いて直接導入法でネガティブモードの測定を行ったところ、ジエタノールアミンが比較的有用なことが分った。ジエタノールアミンをマトリックスとしてHPLC/FAB-MS分析を行ったところ、明瞭な擬分子イオンと適当量のフラグメントイオンを含む比較的良好なマススペクトルが得られた。しかし、マススペクトルの検出限界は現段階では1μg程度を示しており、血中治療レベルの低い薬物では大量の試料が必要と考えられる。今後、感度の改善を試みる予定であるが、現段階でも來雑物の多い試料の分析は有用と思われる。 定量に関してはベンゾジアゼピンの一種ミダゾラムを重水素ラベルして得た安定同位体を内部標準としてFAB-MSの選択的イオンモニタリング(SIM)による分析を試みた。その結果、極めて良好な直線性と再現性があることが分った。また、キャピラリーHPLCによるUV分析でベンゾジアゼピンの定量を試みたところ、FAB-MSのSIMほどの感度は得られなかったものの、簡便な定量が可能なことが示唆された。 その他、他の向精神薬のMS分析や固相抽出法について検討し、各専門雑誌に発表した。今後、ネガティブモードの分析法の改善、実際例の分析例の増加、定量法の確立などを目差すことにより本研究を完成、発展させていきたい。
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