研究概要 |
まず、分析対象薬物15種および内部標準物質2種を選定した後、薬毒物スクリーニングの前処理法として、固相抽出法の抽出条件についてExtrelut,Elut(C18,Certifly,CN)カラムを用いて予備実験を行った。その結果、水溶性溶媒による抽出では大量の体組織成分を溶出し分析を妨害することが分かった。したがって、固相抽出法の抽出には水溶性溶媒は不敵であると評価した。 ついで、Extrelutによる固相抽出法を検討した。抽出溶媒として塩化メチレン、ジエチルエーテルおよび酢酸エチルを用い、抽出液はGC-NPDにより分析した。抽出法の評価は薬物の回収率および体組織成分のガスクロマトグラムにおけるバックグランドピークが薬物ピークに及ぼす影響の程度により行った。その結果、薬物15種の平均回収率は塩化メチレン10mlで60%、塩化メチレン20mlおよび酢酸エチル10mlで73%、ジエチルエーテル10mlで44%であった。一方、体組織のバックグランドの影響に関しては酢酸エチル抽出で最も妨害ピークが多く、また、大量の脂質の存在が認められた。以上の結果から、Extrelut法では塩化メチレン20mlでの溶出が最適であると評価した。 引き続き、Chem Elut,Bond Elut C18,Bond Elut C8,Bond Elut CNおよびBond Elut Certifyカラムについて上記と同様に検討した。その結果、薬物15種の平均回収率はChem, Elut65%、Bond Elut C18 66%、Bond Elut C8 65%Bond ElutCN62%およびBond Elut Certify 32%で、カラムによる薬物回収率の特性が認められた。
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