研究概要 |
アラキドン酸(AA)から炎症促進性のアイコサノイド、ロイコトリエンB4(LTB4)ができるがAAのホモログであるミード酸(20:3n-9,ETrA)はAAと拮抗しLTB4産生が抑えられる。そこで、ラットへETrA投与による腹腔細胞中の脂肪酸構成の変化とLTB4産生の相関を調べることにした。 必須脂肪酸欠乏とならない食事を基本とし、4.5%と19%のリノール酸(18:2 N-6,LA)と各種濃度のETrAを含む食事をラットに投与したところ、ETrAの増加により腹腔細胞中リン脂質中のETrAは10%まで直線的に増加することが判明した。また、食事中LAを増加することにより、ETrAの取り込みは明らかに低下した。さらに腹腔細胞の産生するLTB4はリン脂質中のETrAと有意な負の相関を示した。また血清中のトロンボキサン(TX)量に対してはETrAはいかなる影響も及ぼさなかった。このように食事中のETrAは白血球中に蓄積し、炎症反応に関わるLTB4産生を抑制する。
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