研究課題/領域番号 |
06670487
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 純 九州大学, 医学部, 助教授 (20150443)
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研究分担者 |
上野 久美子 九州大学, 医学部, 医員
谷 良樹 九州大学, 医学部, 医員
中島 孝哉 九州大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | C型肝炎ウイルス / HCV RNA / genotype |
研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)のgenotypeを同定する方法として、蛍光標識したprimerを用いてPCR法とサンガー法を組み合わせた反応を行い、シークエンサーを用いて塩基配列の部分情報を得て、そのパターンよりHCVのgenotypeを同定する方法を開発した。 方法の概略は、(1)酵素系として、Tth DNA polymeraseによる、cycle sequencing系を使用し、dCTP及びddCTP(または、dATP及びddATP)のみを反応に用いた。(2)外部controlを置く事により、約150baseの領域において、97%以上の効率で変異を検出出来た。(3)内部controlによる補正により特定の位置に変異を持つウイルスが、検体中に30%以上であれば検出可能であった。 この方法により(1) HCVのgenotypeを正確に同定することができるようになった。これにより、PCR法の問題である、primerに相補的な塩基配列上に変異がある場合genotypeの判定を誤ってしまう可能性を排除出来た。この方法を用い、高侵淫地区と判明したI島の一集落において、日本において約80%を占めるII型が60%であり、比較的少なく10%前後とされるIV型が約40%を占めていることが確認され、夫婦間のgenotypeの違いより、夫婦間感染がまれである事を確認した。(2) HCVの一次構造の多様性について検討可能となった。その結果、HCVのcore領域は、個体内及び個体間で極めて良く保存されている事が明らかとなった。さらに、この方法により得られる情報を、疫学調査に利用し、HCVの感染様式について、より詳細な検討を行っている。
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