研究概要 |
1.機能的に22-oxacalcitriolで分化誘導したHL-60細胞のレジオネラ感染に関する研究----ヒト白血病細胞株HL-60をビタミンD_3の誘導体である22-oxacalcitriol(OCT)で分化させた後に,表面マーカー,非特異的エステラーゼ、ビーズのどん食能,及びレジオネラ菌の感染と細胞内菌増殖のパターンを検討した。 HL-60細胞はOCTによりCD116,CD11c,CD14,CD35を発現した。また非特異的エステラーゼ陽性となった。ビーズに対するどん食能も増加させた。この分化細胞はレジオネラ菌の感染と細胞内菌増殖をサポートすることができた。 γ-インターフェロンをこの分化細胞に作用させると,細胞内菌増殖が著明に抑制された。 2.1,25-Dihydroxyvitamin D_3(D_3)で分化誘導したHL-60細胞へのα,β,γ-インタフェロンの効果に関する研究----HL-60細胞をD_3で分化誘導した細胞に対する各種インターフェロン(IFN)の効果を,細胞表面抗原,ビーズのどん食,活性酸素,レジオネラ菌の細胞内増殖について検討した。CD16,CD36,CD71,HLA-DR抗原が,IFN-γ,-β-αで増加した。IFN-γはビーズのどん食能を亢進させた。また活性酸素の産生も亢進させた。レジオネラ菌の細胞内増殖はIFN-γ,-β,-αの順に抑制効果があった。 以上の研究成果はCompromised hostにおけるレジオネラ感染実験モデルとして有用と考えられた。
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