研究概要 |
平成7年度の実験では、新たに骨髄由来骨髄細胞株ILKM13を樹立した。ILKM13はILKM12同様骨髄ストローマ細胞の存在下あるいはストローマ細胞培養上清の存在下では増殖を示すが、IL-6やgp130関連サイトカインあるいはIL-10など既知のサイトカインに反応しない細胞株である。ストローマ細胞培養上清の増殖活性はやはり、抗IL-6抗体やIL-6R抗体では部分抑制を示すのみであり、抗IL-6吸収後の実験でも活性を残す新たなサイトカインと考えられる。これまでの実験において、最近樹立した骨髄由来細胞株はILKM10,ILKM12,ILKM13すべてがIL-6に反応しないにも拘わらず、この未知の因子に反応して増殖する細胞株と考えられ、状況証拠としては非常にsolidな結果をもたらしているといえる。しかし、この因子の精製については、まだ十分な結果がえられていない。長期間の培養中の細胞株の性状変化が最も不都合な要因となっており、因子の精製あるいはその遺伝子に関する研究は遅延している。当面、研究期間を延長してさらに因子の追求を続け、結果は別途報告する予定である。
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