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1996 年度 実績報告書

ヒト大腸がんの培養細胞株を用いた転移能獲得を規定する遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 06670512
研究機関弘前大学

研究代表者

斉藤 博  弘前大学, 医学部, 講師 (70196004)

研究分担者 大川 恵三  弘前大学, 医学部, 助手 (70250206)
キーワード大腸癌 / 転移能 / 培養細胞株 / 遺伝子 / CAR / KAII / Smad4 / RT-PCR
研究概要

単離を予定している候補遺伝子の臨床検体での変異のスクリーニングのため、昨年度はDCC遺伝子とp53遺伝子の欠失をコントロールとしてDNApolymerase βmRNAの変異を解析した。本年度は生検標本のような少量の臨床検体の遺伝子発現量の変化を迅速に解析する方法を、蛍光標識による非RIでのRT-PCR法を用いて確立した。システムのチェックと既知の遺伝子の発現変化と転移能との関連を評価するために、抽出したRNAでKAII遺伝子、CAR遺伝子、Smad4遺伝子の発現量の変化を調べた。大腸腺腫12例、大腸がん原発収腫瘍8例(Dukes分類A,4例,B,10例,C,10例,D,14例)、肝転移巣10例、大腸がん細胞株7例と、腫瘍組織と対応する非腫瘍大腸粘膜から各々total RNAを抽出し、各々の遺伝子と内部標準としたβ-actin遺伝子を同時に、蛍光標識したブライマ-を用いてRT-PCR法で増幅後、蛍光シークエンサーで電気泳動し各々の蛍光強度を測定した。その結果、いずれの遺伝子も腺腫で発現量が増加しており、Smad4の発現量の低下とCARの発現量の増加は大腸がんの進展と有意に相関していたが、KAIIでは有意な相関はなかった。しかし、肝転移巣ではKAIIの発現が増加している群と低下している群の二つに分かれていた。
さらに、同一患者から得られた原発腫瘍と肝転移巣からの細胞株樹立も現在進行中であり、これまでに肝転移巣由来の細胞株を2株樹立した。腫瘍組織と樹立した細胞株からDNAとRNAを抽出し、ラジオアイソトープを使用しない蛍光標識法を用いたAP-PCR法とジーンティスプレイ法で、転移能獲得を規定する遺伝子の単離について試みている。今後も候補遺伝子の単離とその異常のスクリーニングについて、今年度の実績をもとにして推進していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tadashi Shimoyama: "Evaluation of DNA polymerase β gene mutation as a genetic marker for colorectal carcinoma" Oncology Reports. 4. 391-395 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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