研究課題/領域番号 |
06670516
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
蒲生 真起夫 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (00250829)
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研究分担者 |
金丸 龍之介 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70152783)
村川 康子 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (50250832)
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キーワード | 抗癌剤 / アポトーシス / 細胞周期 / p53遺伝子 / 大腸癌 / 培養細胞 |
研究概要 |
p53癌抑制遺伝子は各種のDNA damageにより細胞に細胞周期のG1 arrestやapoptosisを生じさせ、細胞の増殖抑制やDNA修復、あるいは細胞死に深く関わっており、癌細胞においても抗癌剤感受性や放射線感受性に関わる可能性が示唆されている。我々は20株の培養細胞株大腸癌8株、胃癌6株、肺癌6株の5FU、VP16、ADM、CDDPに対する抗癌剤感受性とp53statusの関係について検討した。p53は大腸癌8株中株、胃癌6株中1株、肺癌6株中3株でwild typeであった。抗癌剤感受性は、大腸癌において8株中2株のwild type p53保持株で5FUを除く3剤に対してmutant株の4〜20倍抗癌剤感受性が高かったが、胃癌、肺癌株ではその差は明らかでなかった。このことから、少なくとも後2者においてはp53は単独では抗癌剤感受性の指標にはならないと考えられた。また大腸癌においてDNA damage後に生じる細胞の反応を検討したところ、wild type p53保持株のうち最も感受性の高いLoVoはapoptosisが、もう1株のLS174TではG1 arrestが有意であった。このときDNA damage後にp21/Waflは両細胞ともに発現が上昇していた。このことから、p53 dependent apoptosisの誘導にはp21誘導によるG1 arrestのみでは十分でなく、それ以外の因子がより重要である可能性が示唆された。
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