研究課題/領域番号 |
06670523
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾形 逸郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (80169169)
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研究分担者 |
松井 淳 東京大学, 医学部(病), 医員 (40260484)
池田 均 東京大学, 医学部(病), 助手 (80202422)
平田 啓一 東京大学, 医学部(病), 助手 (50199064)
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キーワード | セリン / スレオニンプロテインキナーゼ / 伊東細胞 / フッパー細胞 / 肝類洞内皮細胞 / 肝非実質細胞 / 分子生物学 |
研究概要 |
申請者は、肝の細胞外マトリックスに対する細胞膜上の接着分子と推定される未知の蛋白の部分cDNAを伊東細胞cDNAライブラリーよりクローニングした。本研究ではその全塩基配列決定と機能解明を目的とした。本年度の成果は以下のごとくである。 1.より長いinsertを有するクローンを分離するために、cDNAライブラリーの再スクリーニングを行なったが、3kb以上のinsertを有するクローンは得られなかった。その為、rapid amplification of cDNA end (RACE)法を用いて5'および3'端の塩基配列決定を行なった。これまでに、6456bpの塩基配列を決定した。その予測されるアミノ酸配列の検討から蛋白のN側にセリン/スレオニンプロテインキナーゼ活性ドメインが繰り返して2個存在することが明らかになった。プロテインキナーゼ(PK)活性ドメインの系統樹の検討から、本蛋白はPKCと同じくAGCグループに属すると考えられる。AGCグループのPKの多くは、リセプターと複合体を形成し、外部からの情報を細胞内に伝達する。今回、クローニングした蛋白も同様の機能を有する可能性が高い。また、このドメインのC側下流には:leucine zipperと考えられるドメインが存在し、この部分で複合体を形成すると推定された。 2・伊東細胞における本蛋白の発現は、単離直後に比し、培養により減弱した。伊東細胞クローン株を用いた検討でも正常伊東細胞と似た形質を有するクローン株で発現が強く、筋線維芽細胞様の形質を有するクローン株では発現が弱かった。 3.予測されるアミノ酸配列の合成ペプチドに対する抗体は、高抗体価のものは得られなかった。現在、PK活性ドメインおよびLeucine zipperドメインを組込んだリコンビナント蛋白を用いて抗体の作製を行なっている。
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