研究課題/領域番号 |
06670533
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉原 潤一 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (70216323)
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研究分担者 |
村瀬 全彦 岐阜大学, 医学部, 助手 (80221620)
森脇 久隆 岐阜大学, 医学部, 助教授 (50174470)
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キーワード | 急性肝不全 / 間接カロリーメーター / 蛋白代謝動態 / 分岐鎖アミノ酸 / 栄養管理 |
研究概要 |
1.重症、肝炎患者における代謝動態 劇症肝炎12例(生存6例、死亡6例)、急性肝炎重症型12例(いずれも生存)、健常者5例を対象として、間接カロリーメーターを用いて、10%ブドウ糖液点滴下(100ml/hr)でその代謝動態を測定した。代謝動態のパラメーターとして、安静時エネルギー消費量(REE)、非蛋白呼吸商(npRQ)および各エネルギー基質(糖質、脂肪、蛋白質)の燃焼比率を検討した。なお基礎代謝量(BMR)はHaris-Benedictの式より算出した。REE/BMRは健常者の0.90±0.05に比し、急性肝炎重症型や劇症肝炎では、それぞれ1.18±0.15、1.22±0.21と有意に高値であり、重症肝炎においては代謝亢進状態を呈していた。また劇症肝炎のなかでも、死亡例は1.33±0.18と、生存例の1.11±0.18に比較して有意に高値を示した。一方エネルギー基質のなかで蛋白の燃焼量を算出すると、健常者は87.5±10.4gであったのに対し、急性肝炎重症型や劇症肝炎では、それぞれ43.0±33.7g、47.6±41.5gと有意に減少していた。 2.急性肝不全モデルにおける代謝 D-ガラクトサミンとエンドトキシンを投与して作成した急性肝不全ラットを用い、14Cで標識したロイシンを定速で静脈内に投与することにより、分岐鎖アミノ酸の代謝動態を検討した。代謝のKinetic parameterとしては、放射性物質の注入速度と血漿ロイシン比放射活性のプラトー値からFlux(Q)を算出し、さらにIntake(I).Oxidation(E)の値からSynthesis(S)とBreakdown(B)を求めた。対照群に比して急性肝不全ラットではロイシンのFluxが増加し、BreakdownおよびOxidationはいずれも有意に亢進しており、そのBreakdownの増加分はOxidationの増加分にほぼ相当していた。すなわち分岐鎖アミノ酸の1つであるロイシンの代謝動態からみると、急性肝不全では蛋白の異化亢進状態が存在するものと考えられた。
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