研究課題/領域番号 |
06670549
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永野 公一 大阪大学, 医学部, 助手 (60237542)
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研究分担者 |
増田 栄治 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
竹井 謙之 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
辻 晋吾 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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キーワード | アンチセンス・オリゴヌクレオチド / 消化器癌 / c-myc / bcl-2 / Ki-ras |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞内の特定の遺伝子発現を抑制するアンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いて癌遺伝子の発現を特異的に抑制することにより、消化器癌の治療法が可能かどうかを基礎的検討を行うことである。前年度までの研究でc-mycおよびbcl-2アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、mRNAレベル、蛋白レベルの両方で標的遺伝子の発現を特異的に抑制することにより、MKN45細胞の増殖を用量依存的に抑制することが確かめられている。また、Ki-rasアンチセンス・オリゴヌクレオチドはKi-ras遺伝子に点突然変異を有する大腸癌細胞株DLD-1細胞の増殖を抑制することも確認されている。今年度の研究では、ヌードマウスに移植した腫瘍に対してアンチセンスオリゴヌクレオチドを腫瘍内に投与することにより、実験動物レベルでも腫瘍の発育が抑制されるかどうかを検討した。その結果、アンチセンスオリゴヌクレオチドの抗腫瘍効果はヌードマウスに移植した腫瘍に対しても認められ、c-mycアンチセンス・オリゴヌクレオチド、Ki-rasアンチセンス・オリゴヌクレオチドはMKN45腫瘍、DLD-1腫瘍の発育をそれぞれ40%、60%抑制した。以上の結果から本法は、新たな治療原理に基づく消化器癌治療法としてその可能性をさらに追求する価値があると考えられる。
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