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1995 年度 実績報告書

ラット小腸粘膜内のオルニチン脱炭酸酵素活性の中枢神経による調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06670565
研究機関佐賀医科大学

研究代表者

藤本 一眞  佐賀医科大学, 医学部, 講師 (50181392)

キーワードオルニチン脱炭酸酵素 / 小腸粘膜 / 中枢神経 / 迷走神経 / 視床下部
研究概要

ポリアミンは、生物界に広く存在する低分子の非蛋白性窒素化合物で、細胞の増殖、分化、組織の修復に重要である。オルニチン脱炭酸酵素は、ポリアミン合成の律速酵素でその合成に、不可欠で、小腸の増殖に重要な働きをしていると考えられてきた。この酵素活性は種々の因子によって高められ小腸の増殖を調節してきた。この酵素の活性化因子としては、食物の刺激等による局所性の因子が、重要視されてきた。今回の実験目的は、1)小腸粘膜内のオルニチン脱炭酸酵素活性が、外側視床下野等の中枢神経系の調節をうけていないか、2)小腸をはじめとする末梢臓器の酵素活性の上昇に中枢神経系が関与するとしたらどのような経路が考えられるか、等を解明することにあった。実際の方法としては、1)ラット小腸粘膜内のオルニチン脱炭酸酵素活性の日内変動の測定と横隔膜下迷走神経離断の影響、2)第3脳室内に各種テスト液を投与し、末梢臓器での酵素活性の測定、を中心に実験した。その結果、十二指腸粘膜で食事に先だってオルニチン脱炭酸酵素活性が上昇し、その上昇は迷走神経離断術で認められなくなった。中枢神経系を糖欠乏状態にすると末梢臓器でのオルニチン脱炭酸酵素活性が上昇した。その上昇は迷走神経離断で減弱した。以上の結果は、オルニチン脱炭酸酵素活性が局所因子だけでなく中枢神経系からの調節をうけており、その調節系には迷走神経も関与していることが明らかとなった。中枢神経系は食物の吸収を通じて代謝調節に関与している腸管粘膜の増殖に重要な働きをしていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Fujimoto,et al: "Stimulatory signals from the central nervous system for ornithine decarboxylase activity in rat duodenum" Pathophysiology. 2. 25-28 (1995)

  • [文献書誌] T Koyama,et al: "Histamine effect on ornithine decarboxylase of rat intestine in cases of I/R compared to refeeding" Proc Soc Exp Biol Med. 209. 27-31 (1995)

  • [文献書誌] M Hirano,et al: "EGF enhances repair of rat intestinal mucosa damaged by oral administration of methotrexate" J Gastroenterol. 30. 169-176 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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