研究課題/領域番号 |
06670574
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
西口 修平 大阪市立大学, 医学部・第三内科, 講師 (10192246)
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研究分担者 |
仲島 信也 大阪市立大学, 医学部・第三内科, 講師 (50180287)
武田 正 大阪市立大学, 医学部・第三内科, 助手 (10254393)
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キーワード | 肝癌 / 遺伝子異常 / RDA / ODC / IRF-I |
研究概要 |
肝癌患者から癌部と非癌部の組織を採取し、RDA(Representative difference analysis)を行った。この結果、癌組織においてODC(ornithine decarboxylase)遺伝子のPRST領域に欠損が認められた。ODCは細胞増殖に重要な働きを担う酵素であり、PEST領域は蛋白の半減期に影響を与える領域である。そこで、ODCの欠損しているChinese hamster ovary cell line(C55.7)に肝癌から得られたODCのmutant geneと正常細胞から得られたwild geneを導入した。C55.7細胞で発現したODC mutant蛋白の半減期は正常のODCに比べ延長していた。これらの結果は、Cancer Res.1995;55:3500-3503.に報告した。つぎに、臨床的な意義を検討するために、肝癌症例においてODCのPEST領域の遺伝子変異の出現頻度について検討した。ODCの変異率は、肝癌の組織像が悪性度を増すにつれ増大した。この結果は、我々が既に報告している、肝癌の悪性度とODC活性が相関するという成績(Hepatology 1994;20:1179-1186)と一致した。この成績についても、現在投稿中である。 さらに、RDAまたはGDAC(Gene difference analysis on chrosomome)を用いて数種の遺伝子断片について検討中である。これらの遺伝子の中で既知の遺伝子としては、IRF-1(Interferon reguratory factor 1)に異常を認めた。そこで、IRF-1に注目し検討したところ、肝癌で効率で欠損していることを見いだし、現在さらに臨床的な意義を検討中である。
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