研究課題/領域番号 |
06670578
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
福井 博 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (80145838)
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研究分担者 |
辻井 正 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30075064)
植村 正人 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (90151836)
菊池 英亮 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50214747)
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キーワード | エンドトキシン / アルブミン / HDL / トランスフェリン / TNF-α / IL-6 / G-CSF |
研究概要 |
1)Et活性に及ぼすアルブミン添加の影響についてはヒトならびにラット血漿中で種々の血漿処理法、測定法を用いて検討した結果、アルブミンが用量依存性にEt活性を阻害することを確認した。 2)UDP galactose-4-eimerase欠損Salmonela anatum A_1 epiに^3H-galactoseを与えて^3H-Etを合成し、この^3H-Etをラットに投与して、Etの体内動態をまず検討した結果、投与30分後では大部分のEtが肝に集積していたが、24時間後には15%程が便中に排出された。この際、エタノールを慢性投与しておくと便中への排泄は促進されたが、大量エタノール負荷をさらに加えると便中への排泄は著しく抑制され、血中にEtが停滞した。また、慢性エタノール投与ラットの肝細胞はコントロールに比べEt結合蛋白産生能が大であることを確認した。 3)肝硬変とりわけ進行例では血中Et不活性化能が低下していることを明らかにした。この不活性化能はEt結合蛋白のうちHDLレベルとのみ相関した。この他、血中Et不活性化能は末梢血白血球数と相関し、白血球由来の未知のEt不活性化機構の存在が示唆された。 4)肝硬変では健常人に比べ、アルブミンのEt結合予備能が低下し、トランスフェリン、HDLのEt結合予備能が増加していることを明らかにした。 5)肝硬変では健常人より血中TNF-α、IL-1、IL-6、G-CSFが高値であり、とくに末期昏睡例でIL-6、G-CSFの上昇が著明であった。これらサイトカインの上昇は蛋白とりわけアルブミンのEt結合予備能の低い例で顕著であった。さらに腹水蛋白のEt結合予備能についても検討し、これらの低下例に腎機能障害が多いことを明らかにした。
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