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1994 年度 実績報告書

ヒアルロン酸は慢性肝障害時、肝類洞内皮細胞障害の指標となりえるか

研究課題

研究課題/領域番号 06670594
研究機関久留米大学

研究代表者

上野 隆登  久留米大学, 医学部, 講師 (70176618)

研究分担者 玉城 清酬  久留米大学, 医学部, 助手 (00258443)
鳥村 拓司  久留米大学, 医学部, 助手 (60197986)
犬塚 貞孝  久留米大学, 医学部, 助手 (80193572)
キーワード肝硬変 / ヒアルロン酸 / 肝類洞内皮細胞
研究概要

ヒアルロン酸(HY)はムコ多糖体の一種である。通常、血中HYの大部分は肝類洞内皮細胞(SEC)に取り込まれ分解されるが、血管内皮細胞ではほとんど分解されないことが知られている。ところで、慢性肝障害では肝類洞の毛細血管化が生じ、肝硬変症では頻度多く観察される。肝類洞の毛細血管化に伴いSECが形態的に血管内皮細胞に類似することが報告されており、機能的にも血管内皮細胞に類似してくることが推測される。このように、慢性肝障害ではSECが形態的、機能的に変化し、従来有するHYのSECへの取り込みならびに分解の低下が予想される。そこで、私共はチオアセトアミド(TAA)誘導の肝硬変モデルを作製し、血中HY濃度、^<14>C-HYの肝内分布、^<14>C-HYのSECへの取り込みの変化を検討した。その結果、
1)TAA投与12週から16週にかけ高率に肝硬変モデルが出来た。
2)TAA投与12週から16週の血中HY濃度は生理食塩水投与の対照ラットに比較し有意に高値を呈した。
3)^<14>C-HY投与後の経時的な^<14>C-HYの肝内量は肝硬変モデルラットの方が対照ラットより低値を示した。
4)培養SECへの^<14>C-HY取り込み量は肝硬変モデルラットの方が対照ラットより有意に低下していた。
以上の結果より、肝硬変症では正常に比較し、血中HY値が上昇する。肝硬変症ではSECによるHYの取り込みの低下が生じ、そのことが肝硬変症における血中HY値上昇の主たる原因のひとつと考えられた。今後、肝硬変モデルラットと対照ラットにおけるSECの形態的、機能的な違いをより詳細に検討し、HYとSECとの関連をより明確にする。さらに、TAA投与中止後の血中HY濃度、^<14>C-HYの肝内量、培養SECへの^<14>C-HY取り込み量の測定を行い、肝障害がなくなることにより、SECのHYの取り込みあるいは分解能が正常に回復するか否かを検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiromasa Ohira: "Cuitured rat hepatic sinusoidal endothelial cells express intercellular adhesion molecule by temer necrosis factor-α or interleukin-1α stimulation" Journa of Hepatolofy. 20. 729-734 (1994)

  • [文献書誌] Takato Ueno: "Serum Hyaluronate Predic ts Response to Interferon-Alpha Therapy in Patients with Chronic Hepatitis C" Hepato-Gastroenterology. 掲載予定.

  • [文献書誌] 上野隆登: "ヒアルロン酸研究 I" ヒアルロン酸研究会事務所, 121 (1994)

  • [文献書誌] 上野隆登: "肝臓フォーラム′94記録集" 医事出版社, 199 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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