研究課題/領域番号 |
06670594
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
上野 隆登 久留米大学, 医学部, 講師 (70176618)
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研究分担者 |
玉城 清酬 久留米大学, 医学部, 助手 (00258443)
鳥村 拓司 久留米大学, 医学部, 助手 (60197986)
犬塚 貞孝 久留米大学, 医学部, 助手 (80193572)
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キーワード | 肝線維化 / 肝類洞内皮細胞 / ヒアルロン酸 / ヒアルロン酸レセプター / CD44 / C型慢性肝炎 / インターフェロン治療 |
研究概要 |
1.チオアセミド(TAA)投与による肝線維化モデルラットを作製し、TAA投与後4、8、12および16週目に類洞内皮細胞(SEC)を分離、培養し、その培養細胞の形態的変化、特にSECに特徴的な小孔の数、直径及び対細胞面積比を検討し、同時にヒアルロン酸(HY)レセプターであるCD44のSECにおける局在変化を検討した。 1)培養SECの形態的変化-走査型電子顕微鏡による観察- 肝線維化の進展とともにSECの小孔の数、直径ならびに小孔の対細胞面積比の減少を認め、特に肝線維化を呈す8週目から肝硬変を呈す12-16週にかけ、小孔の数、直径、対細胞面積比は有意な減少を示した。 2)培養SECにおけるCD44の表出-蛍光抗体法、レーザー顕微鏡による観察- 培養SECに対し、抗CD44抗体による蛍光抗体法を施し、反応産物をレーザー顕微鏡を用いて半定量した結果、肝線維化の進展とともに抗CD44に対する反応産物の蛍光量は減少し、8週から12週目の肝硬変を呈す時期で有意な減少を示し、16週までその減少を認めた。 以上の結果より、肝線維化過程では、SECの形態的、機能的変化が生じ、SECでのHYレセプターの減少とそれに伴うHYの取り込みの低下が生じ、肝内でのHYクリアランスの低下につながるものと考えられる。 2.臨床的にはC型慢性肝炎のインターフェロン(IFN)治療において肝線維化が著明な症例ほど治療効果が低下する。そこでIFNの治療効果予測での血中HY測定の有用性について検討した。その結果、IFN治療著効率では血中HY値は全例100ng/ml以下であった。すなわち、治療前血中HY値が100ng/ml以上を示す症例の多くが小葉改築傾向を示す慢性活動性肝炎であった。
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