研究概要 |
我々が進めてきた日本人における解析から、ACE遺伝子多型性がサルコイドーシスの血清ACEレベルの評価に重要であり,かつ対立遺伝子Dがサルコイドーシスの危険因子として作用することが明らかになりこれらの結果を現在投稿中である.さらに遷延例と対立遺伝子Dが密接に関与していることも明らかになり,一部学会で報告し,現在投稿準備中である. このACE遺伝子多型性がサルコイドーシスの危険因子や予後因子になりうるかを国際的に比較検証する目的で本研究は開始されているが,現在までに米国(南カリフォルニア大学Om P.Sharma)より29検体,イスラエル(Tel-Aviv Medical Center,Ichilov Hospital,Elizabeth Fireman)より42検体,ギリシャ(クレテ大学,Demosthenes Bouros)より62検体,スウェーデン(カロリンスカ研究所,Anders Eklund)107検体のACE遺伝子型を解析した.さらに近々,フィンランド(Mjolbolsta Hospital,OlofSelroos)より検体入手予定である.遺伝子型頻度を判定するには症例数が一部不十分なため,各施設よりさらに血液サンプルと臨床データの収集を継続して行っている. 現在のところ,コーカソイドでは日本人に比較して対照群においても対立遺伝子Dの頻度が高い傾向を認めている.対照群とサルコイドーシス間における遺伝子型頻度の差は,今後検討する予定である.
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