研究概要 |
我々は,平成6年度科学研究費補助金(一般研究C 6670602)の交付により,気道過敏性発症に関与する神経ペプチド受容体と自律神経受容体の発現に関する研究を行った。イヌあるいはモルモットを用いた動物実験により、NKA受容体,ムスカリン受容体,エンドセリン受容体の気道における存在部位の特定と受容体サブタイプの決定およびその作用機序に関する検討を行った。 NKAはその強力な気道収縮に加えて,迷走神経を介する気道平滑筋収縮増強作用があり,この作用は迷走神経のpost-ganglianic,post synaptic siteで生じることが明らかとなった(pulm pharmacoloqy 6:209-216,1993) 気道平滑筋にはエンドセリン受容体が豊富に存在し,その受容体サブタイプはETB受容体であること,またエンドセリン受容体を介する気道平滑筋収縮増強作用も迷走神経と関連し,その作用部位はpost-ganlianic,pre-syncptic siteであることが明らかとなった(自律神経31(6):673-678,1994) 気道平滑筋におけるムスカリン受容体は3種類に分類され,M_2受容体はautoreceptorとして迷走神経末端で抑制作用を生じることを明らかにした(第36回日本平滑筋学会総会 8.25 1994 山口市)。 以上の結果,気道平滑筋には神経ペプチド受容体,ムスカリン受容体,ET受容体の特異的受容対が存在し各々相互に相関して作用し,気道過敏性発症の重要な因子となっていることが示唆れた.
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