研究概要 |
イヌおよびモルモットを用いた動物実験により、NKA受容体、ムスカリン受容体、エンドセリン受容体の気道における存在部位の特定と受容体サブタイプの決定およびその作用機序に関する検討を行なった。その結果、NKAはその強力な気道収縮に加えて、迷走神経を介する気道収縮増強作用があり、この作用は迷走神経のpost‐ganglionc,post‐synaptic siteで生じることが明らかになった。気道平滑筋にはエンドセリン受容体が豊富に存在し、そのサブタイプはET‐B受容体であること、またエンドセリン受容体を介する気道平滑筋収縮増強作用は、迷走神経と関連しその作用部位はpost‐ganglionic,pre‐synaptic siteであることが明らかとなった。気道平滑筋におけるムスカリン受容体は3種類に分類され、そのなかでM2受容体はautoreceptorとして迷走神経末端で抑制作用を生じることが明らかとなった。以上のように、気道平滑筋には神経ペプチド受容体、ムスカリン受容体、エンドセリン受容体の特異的受容体が存在し、各々の受容体が相互に相関して作用し、気道過敏性発症の重要な因子になっていることが示唆された。 次に、神経ペプチドの気道平滑筋に及ぼす影響を検討する目的で、SP、NKA、NKBを気管循環内に投与したところ、SP【greater than or equal】NKA>>NKBの順で気道平滑筋の収縮を惹起した。さらに、これらの収縮はNK1およびNK2受容体拮抗薬であるFK224により特異的に抑制されたことより神経ペプチドSPおよびNKAの収縮はNK1およびNK2受容体を介するものである
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