今年度は、前年度の研究で認められたN-myc遺伝子と薬剤耐性との関連性を更に明らかにするため、試験管内でCDDP耐性細胞株(H69/cp,SBC-4/cp)を作成し、耐性株におけるN-myc遺伝子の増幅および表現の程度が親株に比しどう変化するかを検討した。その結果、いずれの耐性株においても、親株に比しN-myc遺伝子の増幅および表現の程度には有意な変化は認められなかった。この事実は、耐性度とN-myc遺伝子増幅の程度とは直接関連しないことを示唆している。よってN-myc遺伝子の薬剤耐性への関与に関しては、別の角度から検討する必要があると思われた。(論文投稿中)
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