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1994 年度 実績報告書

気管支肺アスペルギルス症における病原性因子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06670611
研究機関京都大学

研究代表者

網谷 良一  京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (70167964)

研究分担者 久世 文幸  京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (10027104)
村山 尚子  京都大学, 胸部疾患研究所, 助手 (70182136)
キーワード気管支肺アスペルギルス症 / Aspergillus fumigatus / 病原性因子 / 感染防御能 / 粘液線毛クリアランス / 気道線毛上皮 / 線毛上皮傷害性物質 / gliotoxin
研究概要

気管支肺アスペルギルス症の発症・進展に気管支肺局所の感染防御能とりわけ気道粘液線毛クリアランス機構の障害が密接に関与していることが強く示唆される。当該年度においては、アスペルギルス由来の未知の気道線毛上皮傷害性因子の分離同定を行なうとともに、既に病原性因子としての可能性が指摘されている諸物質の病原性因子としての意義を検討し、以下の成績を得た。
1)低分子領域の気道線毛上皮傷害性物質の分離同定。
Aspergillus fumigatusの当科臨床分離株(YN株)の培養濾液を用いて、クロロホルム処理後、カラムの種類・溶出条件を変えてHPLCを繰り返し、分離精製を進めながら、各段階でヒトの気道線毛上皮に対する傷害活性を比較検討し、最終的に著しい気道線毛上皮傷害活性を有する低分子物質を得た。HPLC上の溶出位置、紫外線吸収パターン、Mass Spectrometryによる分子量の解析等によって、強力な気道線毛上皮傷害物質はgliotoxinおよびそのmetabolitesであることが確認された。この成績は英文論文にまとめ既に投稿中である。
2)高分子領域の気道線毛上皮傷害性物質の分離同定。
上記の培養濾液を用いてゲル濾過を行ない高分子領域にも気道線毛上皮傷害活性が存在することを確認し、≧35kDaと≒25kDaの蛋白成分であるところまでは明らかになったが、現在さらにその高分子物質の精製と同定の作業を継続中である。
3)alkaline proteaseとrestrictocinの肺アスペルギルス症の病原性因子としての意義の検討。
遺伝子操作で作成されたA.fumigatusの変異株(alkaline proteaseまたはrestrictocinの単独欠損株)およびその親株(野生株)を当科で開発したマウス慢性気管支肺アスペルギルス症モデルに用いて、生存率や病変の広がりを比較検討したが、これらの諸物質の単独欠損ではマウスの生存率や病変の広がりの程度に差を認めず、単独では病原性を決定する因子にはならないことが示唆された。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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