研究課題/領域番号 |
06670620
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
橋本 修一 九州大学, 医学部, 助手 (00243931)
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研究分担者 |
原 信之 九州大学, 医学部, 教授 (90038802)
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
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キーワード | N-Nitrosodiethylamine (DEN) / Piperonylbutoxide (PIP) / Lung tumor / SP-A / CC10 / PCNA / RAT |
研究概要 |
1.DEN群、DEN+PIP群のすべてのラットにおいて肺腫瘍の形成を認めた。肺表面の腫瘍結節の数の平均は、32週で各群0、3、4.5、48週で各群0.5、16、7と48週DEN群が最大であったが統計学的有意差は認めなかった。 2.組織学的には、32週では肺胞領域に異型腺腫様過形成、高分化型腺癌の像を認め、両者の混在する領域も認められた。細気官支領域の乳頭状の腫瘍性増殖と近接する肺胞領域への腫瘍の増殖もみられ、細気管支上皮由来を示唆する像も認められた。48週では腺癌の多発する腫瘍結節像を認め異型性、多型性も強く認められた。 3.32週、48週いずれの腫瘍細胞も免疫組織化学的にSP-Aの発現を認めたが、CC10の明らかな発現は認めず、腫瘍細胞におけるCC10発現の低下が示唆された。 4.PCNA Labeling Index (L. I.)(陽性腫瘍細胞数/腫瘍細胞1000個)の平均は、DEN32週群167.5、DEN+PIP32週群159.5、DEN48週群364、DEN+PIP48週群174であり、統計学的にDEN48週群は他のいずれの群よりもL.I.が有意に高く、腫瘍形成とよく相関した。 5.DEN+PIP48週群は、DEN48週群よりL.I.において有意に低く、また、低い腫瘍形成傾向も認められたことより、PIPのDEN肺腫瘍形成における阻害効果が示唆された。
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