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1995 年度 実績報告書

咳味の発現機構と治療の研究:気道炎症におけるタキキニンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 06670622
研究機関熊本大学

研究代表者

興梠 博次  熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00178237)

研究分担者 安藤 正幸  熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
キーワード咳 / タキキニン / サブスタンスP / ニュートラルエンドペプチダーゼ / 胃食道逆流症 / アレルギー / 軸束反射 / 喘息
研究概要

今回の研究では、免疫反応でタキキニンが気管支組織から遊離されていることをより正確に証明するために、タキキニンの拮抗薬を使用し、生理学的に、また、薬理学的に、その収縮反応が抑制されることを確認した。また、ヒトの気管支組織では、カプサイシンによる気管支の収縮が、ニュートラルエンドペプチダーゼの阻害剤で亢進し、この反応はタキキニンの拮抗薬で抑制されることを認めた。これらの結果からヒトの気管支でもタキキニンが存在し、生理的な役割を担っていると考えられる。
プロスタグランディンF_<2α>によるモルモットの気管支の収縮もニュートラルエンドペプチダーゼの阻害剤で亢進し、この反応はタキキニンの拮抗薬で抑制されることを認めた。よって、プロスタグランディンF_<2α>もタキキニンを遊離する作用があることを確認した。これらの反応は、神経の伝導を阻止するテトロドトキシンによって影響を受けないことより、種々の刺激にて遊離された化学伝達物質が神経伝導を介さずにタキキニンを神経末端から遊離していることを示唆する。また、食道の刺激により咳が誘発されることが知られているが、その原因として気道におけるタキキニンの遊離が関与している可能性がある。そこで、モルモットの気道を塩酸で刺激して気道での血管透過性を調べたところタキキニンの遊離されていることが示唆された。
この一連の研究の目的は、「咳嗽の発症機構として、ヒト気管支の刺激によって遊離されたタキキニンが咳嗽の刺激になっているであろう」という仮説を実証するためのものである。これまでの研究では、モルモットとヒトの気管支でタキキニンが遊離されていることを確認したことになる。以前の研究のデータと組み合わせると、炎症反応によって誘発される咳嗽もタキキニンを介していると予測される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Fujii K: "Evidence that PGF_<2α>-induced contraction of isolated guinea-pig bronchi is mediated in part by release of tachykinins." J.Appl.Physiol.79. 1411-1418 (1995)

  • [文献書誌] Saita N: "Atypical peritracheobronchial vasculitis and an effective treatment." Internal Medicine. 33. 554-556 (1994)

  • [文献書誌] Sakamoto O: "Retrospective analysis of the efficacy of open lung biopsy in patients with diffuse pulmonary infiltrates." Kumamoto Med.J.44. 157-172 (1994)

  • [文献書誌] 興梠博次: "プランルカストが著効した難治性気管支喘息の1例" 現代医療. 27. 3438-3439 (1995)

  • [文献書誌] 興梠博次: "咳喘息(咳を主症状とする喘息、気道過敏性亢進を伴う咳orアレルギー性気管支炎による咳?)" 総合臨床. 44. 2195-2199 (1995)

  • [文献書誌] 興梠博次: "喘息と神経ペプチド" アレルギーの領域. 1. 18-22 (1994)

  • [文献書誌] 興梠博次: "アレルギー性疾患の診断 アレルギー疾患の臨床" 山木戸道郎編集, 228 (1994)

  • [文献書誌] 興梠博次: "サブスタンスP KEY WORD 1994-'95" 小倉 剛,日和田邦男,山木戸道郎編集, 193 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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