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1994 年度 実績報告書

運動誘発喘息の発症機序に関する組織細胞学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 06670624
研究機関岩手医科大学

研究代表者

小林 仁  岩手医科大学, 医学部, 講師 (60215358)

研究分担者 斯波 明子  岩手医科大学, 医学部, 助手 (90244912)
キーワードモルモット / 運動誘発喘息 / サススタンスP / 気管支肺胞洗浄 / 好酸球 / 好中球 / 抗ロイコトリエン拮抗薬
研究概要

我々は,OA感作モルモットにおいて運動負荷後、運動誘発喘息(EIA)が約50%の確率で発症することを報告し、さらに気管支肺胞洗浄液中にヒスタミン、サブスタンスPが遊離され、増加し、そしてヒスタミンの変動より、サブスタンスP値の上昇はヒスタミン値上昇に比し、有意に高値であることから、運動負荷時に起こる気道内変化として、気管支粘膜のwater lossから気道冷却、粘膜表面の浸透圧変化が誘発され、さらにその後、irritant recetor刺激によるnon-adrenergic non-cholenergic神経活性化による神経ペプチド遊離が誘発され、その後、同様の機序でprimingされた肥満細胞が神経ペプチドの一種であるサブスタンスPにって刺激され、活性化後にヒスタミンなどのメディエーターを遊離することが示唆された。この際、気道内water lossが炎症細胞を活性化するのにサブスタンスPが必要である可能性が示唆された。そこで、さらに気道内water loss後に起こる変化の中で、中心的なメディエーターを検討するために、各種メディエーター拮抗薬がEIA発症におよぼす影響について検討を行った。
まず、はじめにロイコトリエンE4,D4,E4拮抗薬であるono-1078がEIAに与える影響について検討した。その結果、運動誘発後、ono-1078非投与群では運動終了15分後に呼吸抵抗の上昇を認めたが、投与群では呼吸抵抗の上昇が抑制された。これらから、ロイコトリエンが運動負荷時に気道内に遊離されることが示唆され、肥満細胞からの遊離と同時に好酸球からの遊離も考えられ、運動終了15分後の呼吸抵抗上昇に好酸球が関与している可能性が示唆された。さらに、神経ペプチドの一つであるサブスタンスPの受容体であるNK-1受容体に対する拮抗薬であるFK-888そしてNK-1とNK-2受容体拮抗薬であるFK-224を運動負荷前に投与し,EIAにおける神経ペプチドの役割について検討した。その結果、FK-888とFK-224によってもいずれ場合のEIAが抑制された。結論として、運動負荷時に刺激受容体が活性化し、神経ペプチドを遊離する。その後遊離した神経ペプチドによってすでに浸潤していた好酸球は活性化し、さらに著明な好中球遊走から好中球の活性化が示唆され、好中球エラスターゼ、活性酸素遊離が気道炎症を悪化させるていることが示唆された。今後は、運動負荷時の気道において、water lossによる浸透圧増大と、単純なheat lossとでどちらがより重要であるか検討するために、冷気、暖気吸入試験を行い。さらに組織学的にも検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 前田志津子、小林仁: "運動誘発喘息モデルの作製とこの気道収縮における化学伝達物質の検討" 岩手医学会誌. 46. 451-459 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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