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1995 年度 実績報告書

運動誘発喘息の発症機序に関する組織細胞学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 06670624
研究機関岩手医科大学

研究代表者

小林 仁  岩手医科大学, 医学部, 講師 (60215358)

研究分担者 斯波 明子  岩手医科大学, 医学部, 助手 (90244912)
キーワード運動誘発喘息 / 動物モデル / モルモット / 気管支肺胞洗浄 / ロイコトリエン / 冷気吸入 / Substance P
研究概要

平成6年度の検討から、抗ロイコトリエン薬ono-1078が、モルモット運動誘発喘息モデルにおいて、気道攣縮阻害作用を示したことから、ロイコトリエンが運動誘発喘息の発症に重要な役割を果たしていることが示唆された。今回、我々は気道のロイコトリエン遊離を検討する目的で、運動負荷前後の気道内ロイコトリエン値を測定した。その結果、気管支洗浄液中のLTB4値は、1) 運動負荷前群では、平均298pg/ml、2) ono-1078非投与運動負荷群では、平均93.3pg/ml 3) ono-1078前投与運動負荷群では、177.7pg/mlであった。また、LTE4値は、1) 非運動負荷群では、50pg/ml以下であった。2) ono-1078非投与運動負荷群では、3例中2例で陽性であり、その平均は200pg/mlであった。3) ono-1078前投与運動負荷群では、3例中2例で陽性で、その平均は135.5pg/mlであった。以上から、運動負荷後の呼吸抵抗増大に関連すると考えられるのは、LTB4というよりLTE4がより関連性が疑われた。
また、運動誘発喘息における機序の中で、気道冷却による影響を見るために、冷気曝露実験を施行した。方法は、OA感作後、OA曝露により発作が誘発されることを確認し、30分間、冷気(5℃、-10℃)内呼吸をさせた。冷気曝露前後でヒスタミンに対する気道過敏性を、またその後に、気管支肺胞洗浄(BAL)を行い、ヒスタミン、Substance P、好酸球の検討を行った。結果、1) 呼吸抵抗は、5℃曝露群では、曝露後に有意に低下した。-10℃群では、逆に上昇した。2) ヒスタミンに体する気道過敏性は、5℃群では、一定の傾向が見られなかった。-10℃群では3例中3例が閾値の低下を示し、過敏性亢進が示唆された。3) BAL中のヒスタミン値とSubstance P値は、運動前群と5℃群、-10℃群の3群間に有意差は見られなかった。4) BAL中好酸球数は、運動前群と5℃群に比し、-10℃群において高値傾向が見られた。これらより、冷気吸入時における呼吸低抗増加と気道過敏性亢進の原因として、ヒスタミン遊離や、Substance P以外の機序の存在が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 前田志津子、小林仁: "運動誘発喘息動物モデルの作成とこの気道収縮における化学伝達物質の検討" 岩手医誌. 46. 451-459 (1994)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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