研究概要 |
1.気道収縮反応のin vivoでの評価 家兎を麻酔しレスピレータに装着し、気道抵抗を連続的に測定した。あらかじめアセチルコリン投与により気道抵抗が上昇した時点で、サルブタモ-ルを低容量より順次吸入させ、気道トーンの容量依存的な減少が観察された。以上の効果は、カリブドトキシン、ウアバインの前処置により抑制されたが、グリベンクラミド,アパミンは無効であった。よって、B_2刺激薬による気道拡張効果は、Ca依存性KチャネルおよびNaポンプの活性化に伴う気道平滑筋の過分極によるものと考えられた。 2.気道平滑筋機能のin vitroでの検討 摘出家兎気管をorgan chamberに懸垂し、その等尺性張力の測定を行った。フィールド電気刺激による気道平滑筋収縮反応はカリブドトキシン,イベリオトキシンにより増強したが、グリベンクラミド,アパミンは無効であった。以上の効果は、とくに低刺激周波数領域で顕著に認められた。ウアバインは、高濃度(10^^-^7M)を投与した際に、同様の増強作用を示した。よって、気道平滑筋における迷走神経節後線維からのアセチルコリン遊離に対し、Ca依存性Kチャネルが抑制的に作用しているものと考えられ、気道過敏性の発現における防御的役割を果たしているものと推察された。
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