研究概要 |
1.気道平滑筋細胞内サイクリックスクレオチドの測定 気道平滑筋をあらかじめアセチルコリン(10^<-5>M)により収縮させ、次いで種々の濃度のサルブタモ-ル,フォルスコリン,ニトロプルシドを添加し、拡張反応がプラトーに達した時点で組織を凍結させた。組織のホモジネート中のcAMP,cGMPをラジオイムノアッセイ法を用いて測定すると、サルブタモ-ル,フォルスコリンは濃度依存的に細胞内cAMPを増加させ、また、ニトロプルシドも同様にcGMP量を増加させた。以上の効果は、カリブドトキシン,アパミン,グリベンクラミド,ウアバインによる影響を受けず、また拡張反応は、これらの阻害薬により有意に抑制された。以上の成績より、アデニレートシクラーゼあるいはグアニレートシクラーゼを介する平滑筋拡張薬は、Ca依存性KチャネルおよびNaポンプの活性化により発現されるが、サイクリックヌクレオチドの産生自体は、これらの影響を受けないことが明らかとなった。 2.パッチクランプ法を用いた検討 単離気管平滑筋を用いパッチクランプ法により単一イオンチャネル電流を測定した。フォルスコリン,ニトロプルシドは、いずれもCa依存性Kチャネル電流を発生させ、上記1の実験成績が細胞レベルで確認された。
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