研究概要 |
本年度は、ヒト肺癌高転移株の樹立をめざし研究を続けている。ヒト肺癌細胞株(PC7,PC9,H69,NCC-Lu135,NCC-Lu143)の各細胞株をヌードマウスの尾静脈より注入し、肺への転移巣の作製を試みた。各細胞株はともに肺転移巣の形成しにくい株とされているが、1株のみ肺転移巣作製に成功した。その転移巣の細胞を培養に戻し、再び、ヌードマウス肺転移作製を行った。以上の処理を現在6回繰り返し、培養中である(F6)。親株が16.7%の転移率であるのに対し、F6は50%に転移巣を認めた。adhesion assayにおいて、F6は親株と比較し有意に高い接着能を有していると考えられた。doubling timeの変化は認めなかった。今後、継代を進めるとともに、接着能に関わる因子の検討、浸潤能の検討を行う予定である。
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