• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

喫煙と鉱物繊維曝露ラットモデルにおけるムチン遺伝子発現と気道障害

研究課題

研究課題/領域番号 06670636
研究機関産業医科大学

研究代表者

津田 徹  産業医科大学, 産業生態科学研究所, 講師 (60207389)

研究分担者 森本 泰夫  産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (30258628)
大森 久光  産業医科大学, 医学部, 助手
キーワードムチン遺伝子 / 気道分泌 / MUC1 / MUC2 / 肺癌 / 喫煙 / 接着分子
研究概要

(1)喫煙と鉱物繊維曝露ラットモデルにおけるムチン遺伝子発現と気道障害
平成6年度計画に挙げた鉱物繊維(クリソタイル、セラミックファイバー)煙草煙曝露、気道及び肺組織からRNA抽出を終了した。MUC2ムチンcDNAの発現を上記モデルにてRT-PCRを用い、検討したところ、杯細胞の過形成 粘膜下腺の増生が、タバコ+クリソタイル曝露ラットモデルで認められるのにもかかわらず、MUC2の発現は認められなかった。しかし、マイコプラズマ感染ラットモデルでは、MUC2ムチンの発現を認めた。
動物モデルにおけるムチン遺伝子の発現は、どのように制御されているか、またどの遺伝子がどのような刺激で発現しているのか明らかでない。ヒトムチン遺伝子ファミリーもこれまで7つの遺伝子がクローニングされており、今後、それぞれについて動物モデルでの発現を検討していく必要がある。
(2)ヒト肺癌におけるムチン遺伝子の発現
ヒト肺癌細胞株41例、手術摘出標本50例でのMUC1,MUC2ムチン遺伝子の予後の関係を検討したところ、MUC1の発現が強く認められる腺癌に予後が悪い傾向が認められた。
現在、肺癌手術時に癌部及び非癌部より組織をスナップフローズンし、癌部、非癌部40ペア-のRNAを抽出した。今後、ヒトのcDNAクローンを用いて喫煙歴(B.I.)とムチン遺伝子の発現の関係について検討する。また、癌部におけるMUC1,MUC2,MUC5ムチン遺伝子の発現と臨床データ(予後、喫煙歴、糖鎖の末端糖であるSLexなど)との関係について検討し、喫煙と気道障害、また肺癌の臨床病理学的相違についての結果を得たい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 津田,徹: "気道分泌蛋白ムチン遺伝子のクローニングと発現" 気道過敏性研究. 9-22 (1991)

  • [文献書誌] Changn S,Tsuda T,Kim Y.: "Localization of intestinal mucin(MUC2 and MUC3)mRNA and apomucin in human normal intestine and colon cancer tissues by in situ hybridization and immunohistochemistry." Gasteroenterology. 107. 28-36 (1994)

  • [文献書誌] Dohrman A,Tsuda T,Basbaum C.: "Distribution of lysozyme and mucin(MUC2 and MUC3)mRNA in human bronchus." Experimental Lung Research. 20. 367-80 (1994)

  • [文献書誌] Ohmori H,Tsuda T,Basbaum C.: "Molecular cloning of the amino terminal reqion of rat MUC2 mucin gene homologue:Evidence for expression in both intestine and airway." J.Biol.Chem.269. 17833-17840 (1994)

  • [文献書誌] 津田,徹: "呼吸器疾患動物モデルの開発とジーンターゲッテイング" Congress Report 呼吸器. 7. 15-17 (1994)

  • [文献書誌] 津田,徹: "MUC2ムチンの発現と気道障害" 日本胸部疾患学会雑誌. 32. (1994)

  • [文献書誌] H.Omori: "Molecular cloning of rat MUC2 mucin gene homologue:Expression in airway submucosal glands as well as colonic goblet cells" Am.J.Resp.Crit.Care.Med.149. A28

  • [文献書誌] 津田,徹: "肺癌培養細胞株におけるMUC1,MUC2ムチンmRNAの発現" 肺癌. 34. 704 (1994)

  • [文献書誌] 大神,明: "非小細胞肺癌におけるMUC1の発現と予後因子としての可能性" 肺癌. 34. 704 (1994)

  • [文献書誌] Basbaum C,Tsuda T,Jany B.: "Gene expression in airway mucus-secretinq cells,Airway Secretion,Lung Biol.in Health and Dis." Takishima and Shimura Marcel Dekker,lnc.New York,10 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi