1.既に得られている抗体認識分子の部分cDNAを用い全長の構造解析をすすめた。亜急性小脳変性症(PCD)患者血清で得られたクローン(CZF)はZnフィンガー構造をもち、多発神経炎の患者血清で得られたクローン(HuV)はDNA結合構造とCAGの繰り返し配列をもつことが示された。ノーザンブロテイングをおこなったところクローン(CZF)は4.5kb、クローン(HuV)は9kbに反応バンドがみられた。これらの分子の部分cDNAのリコンビナント蛋白を作製し、それぞれが患者血清に反応することを確認した。またCZFのリコンビナント蛋白を動物に接種して抗体を作製し免疫原との反応を確認した。 神経学的診断と癌のスクリーニングのため、既に報告のある分子HuDの部分リコンビナント蛋白を作製した。これを用いて抗神経抗体(抗Hu抗体)の検出のための免疫ブロットシステム、ELISAシステムを確立した。ELISAシステムによって症例を経時的にみることができ、癌の治療効果の評価や再発の警告として有用であることが示された。
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