1)FAP患者血清からvertical rotorを用いLDL、HDLを抽出し、トランスサイレチン(TTR)蛋白の存在を検討したところ、FAP患者、正常者とも等しく循環血液中のTTRの約2%がHDLと結合し血中を循環していることが明かにされた。更に、LDLにおいては、FAP患者においてのみ約0.1%のTTRが結合しており、そのほとんどが異型TTRであることが証明された。本実験結果から、これまで謎とされてきたアミロイド沈着のメカニズムに、LDLの代謝動態が深く関与していることが判明した。 2)Transgenic mice(Met30)を高温飼育し約2年間にわたりアミロイドの沈着状況を検討したが正常のマウス、transgenic miceともにアミロイドの沈着が認められなかった。 3)FAP患者3名の肝移植がSweden Huddinge病院において施行された。経過はいずれも順調で、本治療により、とりわけ自律神経障害の改善効果が認められた。 4)FAP患者に対し、^<123>I-MIBGシンチを行いその集積について検討したところ、病初期の患者よりその集積は低下していた。又、不整脈により心電図R-R intervalの測定が難しい症例に対しても、その自律神経障害の判定に有用であった。
|