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1994 年度 実績報告書

多モダリティー刺激を用いた視覚誘発電位の臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 06670663
研究機関横浜市立大学

研究代表者

黒岩 義之  横浜市立大学, 医学部, 教授 (40135249)

研究分担者 太田 秀一  横浜市立大学, 医学部, 助手
キーワード網膜電図 / 視覚誘発電位 / 事象関連電位 / 認知 / オドボール課題 / P300 / 記憶 / 痴呆
研究概要

視覚系の刺激による誘発反応には,網膜の光受容体や神経節細胞の興奮による網膜電図(ERG),ブロードマン17・18野の興奮による視覚大脳誘発電位(VEP),図形の認知に関連する事象関連電位(ERP)の3つがある。これらERG,VEP,ERPを駆使した検査システムを多モダリティーVEP(Multi-modality Visual Evoked Potentids)と定義する。平成6年度は,図形刺激を用いたオド・ボール課題と対刺激課題に対して,頭皮上からVEPとERPを測定する方法を研究した。課題の呈示プログラムはコンピューターで制御し,図形は電子タキストスコープ上に出すことにした(岩崎通信タキスト使用)。VEPは正中後頭部から記録し,N100が測定しやすいピークであった。ERPはCz,Pz(基準電極は両耳朶連結)から記録し,N200とP300が測定しやすいピークであった。眼周囲に置いた電極から眼球運動をモニターし,その電位(EOG)が±100μVを越えた時には自動的に加算を中断(アーチファクトの自動リジェクト)するようにセットした。測定パラメーターとしては潜時(N100,N200,P300,N200-N100,P300-N100)と振幅(基線-N200,基線-P300,N200-P300)を選んだ。N200/P300とN100の潜時差はERPとVEPの潜時差であり、皮質レベルの視覚情報処理速度を表すパラメーターと考えられる。正常人におけるERPは潜時・振幅ともに加齢の影響を受けた。70歳を越える正常例では低振幅ながら明らかなピークを有する反応波形が得られ,臨床応用に期待がもたれた。もし,角膜電極やゴールドフォイル電極を用いて,上記の図形刺激に対するERGが測定できれば,ERG-VEP-ERPを同時に測定できる検査となるが,ERGの検出はむずかしく,今後に残された課題である。平成7年度は上記の検査システムを臨床例に応用していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 黒岩義之: "事象関連電位" Current Insights in Neurological Sciences. 2. 3-5 (1994)

  • [文献書誌] 黒岩義之: "意識障害の新しい重症度スケール。臨床症候と脳幹誘発電位を用いた生理学的総合評価法の提唱" Current Insights in Neurological Sciences. 2. 10-11 (1994)

  • [文献書誌] 黒岩義之: "パーキンソン病の運動障害への多角的アプローチ。PET,SPECT,磁気刺激,視覚性事象関連電位。" Current Insights in Neurological Sciences. 2. 12-13 (1994)

  • [文献書誌] 黒岩義之: "看護学大辞典。事象関連電位" 内薗耕二,小坂樹徳監修。メジカルフレンド社, 847 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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